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単価開示はもう「特別」ではない——AIで自分の市場価値を測る方法

エンジニアに単価を開示するSES企業が増えてきた。開示が広がる構造的な理由と、開示されない会社にいる場合にLLMを使って自分の市場単価を推定する具体的な手順を、SES仲介の現役当事者が解説する。

「自分の単価を知っていますか」。数年前なら、この質問に答えられるSES正社員は少数派だった。今は違う。単価を本人に開示する会社が、確実に増えている。開示はもう先進的な取り組みではなく、採用市場で戦うための標準装備になりつつある。

開示が進む構造的な理由

会社が善良になったからではない。構造が変わったからだ。

  • 隠すコストが上がった。フリーランス市場の単価情報が公開で溢れ、月額平均77万円前後という相場感は誰でも調べられる。自分のスキルの市場価格を知ったエンジニアは、非開示の会社に還元率の逆算を試み、答えない会社から離れていく。
  • 開示が採用の武器になった。単価開示・単価連動給与を掲げる会社に応募が集まる以上、非開示は採用市場でハンデになる。
  • 法制度の潮目。フリーランス取引では報酬明示が義務化された。正社員SESへの単価開示義務はないままだが、「取引条件は明示するもの」という規範は業界全体に染み出しつつある。

それでも開示しない会社の事情は、以前の記事で書いた通りだ。開示すれば還元率が逆算され、昇給交渉か退職が始まる。開示の可否は営業個人ではなく会社方針で決まっている。

LLMで自分の市場単価を推定する手順

開示されないなら、自分で推定すればいい。LLMは、この作業の道具として優秀だ。

  • 手順1: 自分を棚卸しする。経験年数、言語・フレームワーク、担当工程(テスト/実装/設計/要件定義)、チーム規模、商流の位置。スキルシートをそのまま使えばいい。
  • 手順2: 公開相場と突合する。フリーランス向け案件サイトの公開単価データから、同条件の案件単価の範囲をLLMに整理させる。
  • 手順3: 正社員換算する。フリーランス単価から、雇用の安定・社会保険・待機保障のコストを差し引いた水準が、あなたの単価の近似値になる。
  • 手順4: 見せ方を壁打ちする。スキルシートをLLMに読ませ、「単価が上がる書き方」を添削させる。工程の表現、定量化できる実績、AI活用経験の明記。ここが一番効く。

注意も書いておく。LLMが出す金額を鵜呑みにするな。学習データの鮮度や地域差で数字はぶれる。必ず複数の公開ソースと突き合わせ、範囲で捉えること。

推定値は交渉の入口である

推定した単価は、それ自体が目的ではない。評価面談で還元率の計算式を聞き、営業に商流の深さを聞き、推定値と付き合わせる。そのための入口だ。数字を持って座る者と、丸腰で座る者。交渉のテーブルでの差は、そこで決まっている。

FAQ

会社に単価を教えてもらえない場合、どうすればいいですか?

額の開示を正面から求めるより、「エンドから何次目の案件か」「還元率の計算式はどうなっているか」を聞く方が答えを得やすいです。この二つと公開相場データがあれば、単価はおおよそ自分で推定できます。

自分の単価の目安はどう調べればいいですか?

フリーランス向け案件サイトの公開単価から同スキル・同工程の案件レンジを確認し、雇用コスト分を割り引いて正社員換算するのが実務的です。LLMに条件を渡して整理させると効率的ですが、必ず複数ソースで検証してください。

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