大阪 大阪のSES企業・特集

大阪のSES事情2026|東京に次ぐ第2市場、単価と企業の二層構造

大阪はソフトウェア業2,160事業所と東京に次ぐ全国2位の集積を持つSES市場である。単価は東京比0.80という参考値、梅田・本町の集積、若いローカルSESと全国大手拠点の二層構造まで、SES仲介の現役事業者が公開データと当事者視点で解説する。

断言する。大阪は、東京に次ぐ日本第2のSES市場である。ただし、単価は東京の8割。この一行に、大阪でエンジニアとして働くことの現実がほぼ凝縮されている。市場の厚みは全国2位、されど値札は2割引。本稿では、その構造を公開データと当事者の視点で解剖する。

先に立場を明らかにしておく。本サイト運営者はSES仲介の現役事業者である。単価がどの階層で決まり、どこで削られ、いくらがエンジニアに届くのか。その現場を日常として見ている人間の目で、大阪という市場を読む。

全国2位の集積 — 数字が語る大阪の厚み

経済産業省の特定サービス産業実態調査によれば、ソフトウェア業の事業所数で大阪は2,160事業所。全国の9.7%を占め、東京(7,252事業所・32.5%)に次ぐ全国2位の集積であると公表されている。3位以下を大きく引き離す、名実ともに「西の首都」である。

地理にも特徴がある。CBREの調査記事では、西日本最大のターミナルである梅田に多業種のオフィスが集積し、本町周辺は繊維問屋街から発展した成熟ビジネス地区として建設業や情報通信企業が立地、大阪ビジネスパーク(OBP)も情報通信産業の集積が特徴とされる。実際、SES企業の本社・拠点は梅田〜本町〜新大阪のラインに沿うように並んでいる。

単価の現実 — 「東京の0.80」をどう読むか

単価水準については、東京を1.00とした場合に全国平均0.80という経済産業省2019年公表の参考値が業界メディアで引用されている。IT需要が集中する東京では、同じスキルでも地方より2〜3割高い案件があるとされる。一方で、リモート案件の普及により地域差は縮小傾向にあるとの指摘もある。大阪に住みながら東京単価の案件に参画する、という選択肢が現実になったのはこの数年の変化だ。

当事者として一つ付け加える。単価とは、エンジニアの能力の値段である前に「商流の位置」の値段である。エンド企業が払う金額から、元請け、二次請けと各階層が手数料を抜き、所属会社に届いた金額に還元率(業界メディアでは50〜60%程度が一般的と語られる)がかかって、初めて給与原資になる。つまり、東京比0.80という地域係数より、商流が一段深いことによる目減りのほうが大きいことすらある。数字の詳細はSES単価相場2026の解説記事に譲るが、大阪で単価を語るなら、地域差と商流の深さの両方を見るべきである。

二層構造 — 若いローカルSESと全国大手の関西拠点

大阪のSES企業を公式サイトベースで確認していくと、はっきりした二層構造が見えてくる。

区分企業例(公式サイト記載の設立年・拠点)大阪での拠点
ローカル本社系情報システムサービス(1991年)、PROMATE.(2002年)、IMF(2014年)、ペブル(2019年)、Graham Solution(2019年)、Qukuri(2019年)、3N(2022年)、大阪システム開発(2023年)梅田・本町・新大阪などに本社
全国大手拠点系テクノプロ・IT社、パーソルクロステクノロジー、システナ、AKKODiSコンサルティング、BREXA Technology大阪支店・支社・オフィス(梅田・茶屋町・江戸堀・平野町など)

第一の層、大阪本社のローカルSESの特徴は若さである。2019年設立が3社、2022年、2023年設立の会社まで並び、設立10年未満が目立つ。もちろん1991年設立で従業員74名(2026年4月1日現在)と公表する情報システムサービスのような歴史ある独立系も存在するが、市場全体としては、小さな会社が次々に生まれる新陳代謝の激しい市場である。

第二の層は全国大手の関西拠点だ。テクノプロ・IT社は大阪支店と大阪開発センターの2拠点を、パーソルクロステクノロジーは大阪オフィス/大阪R&Dセンターを梅田に、システナは大阪支社を茶屋町に、AKKODiSコンサルティングは大阪梅田オフィスをグランフロント大阪に置くと、それぞれ公式サイトに記載している。従業員数千名規模の全国組織が、西日本の需要を正面から取りにきている構図である。

どちらが良いという話ではない。ローカル本社系は意思決定との距離が近く、大手拠点系は案件の裾野に厚みが出やすい——というのは一般論にすぎず、実態は会社ごとに違う。だからこそ、確認できる事実で見極めるべきなのである。

企業の選び方 — 若い市場だからこそ、開示を見る

個別企業の格付けはしない。それは本サイトの流儀に反する。代わりに、誰でも公式情報から確認できる客観的なチェックポイントを三つ挙げる。

  • 労働者派遣事業許可の有無と公開状況。SESは準委任契約が基本だが、派遣事業も営む会社は許可の取得を公式サイトに記載していることが多く、厚生労働省の検索システムでも確認できる。開示の有無自体が一つの判断材料になる。
  • 設立年数と情報開示の質。若い会社が多い市場では、設立年・資本金・従業員数・事業内容を公式サイトにどこまで具体的に書いているかが、そのまま会社の姿勢を映す。従業員数を時点つきで明記する会社もあれば、事業内容が一行で終わる会社もある。
  • 拠点の種別。「大阪本社」なのか「大阪支店・支社・オフィス」なのか。意思決定の速さも、関西での案件開拓の力点も変わってくる。会社概要ページで必ず確認できる情報である。

大阪のSES企業の公式確認済み情報は大阪のSES企業一覧にまとめている。比較の出発点として使ってほしい。

結論 — 第2市場の使い方

まとめる。大阪は事業所数全国2位という厚みを持ち、単価には東京比0.80という参考値が引かれる市場である。だが、リモートの普及が地域差を縮め、若いローカルSESと全国大手拠点が併存する新陳代謝の激しさは、裏を返せば選択肢の多さでもある。

そして関西は、フリーランスエージェント各社の主要対応エリアでもある。正社員SESという形にこだわらないならフリーランスエージェント比較を、環境ごと変えるならIT転職エージェント比較を併せて見てほしい。市場は厚い。あとは、どの層の、どの位置で働くかを自分で決めるだけである。

FAQ

大阪のSES単価は東京と比べてどのくらい低いのですか?

東京を1.00とした場合に全国平均0.80という経済産業省2019年公表の参考値が業界メディアで引用されています。ただしリモート案件の普及で地域差は縮小傾向にあるとの指摘もあり、実際の手取りには商流の深さや還元率のほうが大きく影響する場合もあります。

大阪にはどのようなSES企業がありますか?

大阪に本社を置くローカルSES(設立10年未満の若い会社が多い一方、1991年設立の独立系なども存在)と、テクノプロ・IT社やパーソルクロステクノロジー、システナなど全国大手の関西拠点という二層構造です。拠点は梅田・本町・新大阪エリアに集積しています。

大阪でSES企業を選ぶ際のチェックポイントは何ですか?

労働者派遣事業許可の公開状況、設立年・資本金・従業員数など情報開示の質、そして大阪本社か支店・支社かという拠点種別の3点です。いずれも各社公式サイトの会社概要ページで確認できる客観的な情報です。

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